やたらと絡んでくる変な奴、それが俺があいつに対して抱いた、最初の印象だった。友達はそれなりに多い方だし、人と話すのも嫌いではないけれど、それでも正直辟易するくらい熱心にあいつは俺に話しかけてきた。正直言ってそこまで気の合うタイプだとも思えなかったし、そこまで俺に構う理由もわからなかったから、最初はひたすら困惑していた。
そんな調子だったから、そのうち周囲には「意外な組み合わせだが仲の良い奴ら」として認識されるようになった。なぜ仲良くなったのか聞かれるたび、曖昧に濁しながら、心の中では『俺が知りたいわ!』と叫んでいた。
でも、不思議とあいつと話すのは楽しくて。一緒に居るのが自然になって。気がついたら、友達以上の存在になっていた。
先に気持ちを伝えてくれたのはあいつだった。『ずっと一緒に居ようね』って、言ったのもあいつだった。
なのに、――なのにどうして、あいつは、俺を置いていってしまうのだろう。ああ、あいつと出逢わなければ、こんなに苦しい思いもしなくて済んだのに。
お題『君と出逢って、』
5/6/2026, 9:54:37 AM