『あなたとわたし』
妹が泣いていた。家に帰って部屋へ向かうと、扉越しに啜り泣く声が聞こえた。中では、妹が隅の方で膝を抱えるようにして座っていた。
妹は優しくて人のことをよく見ている。我慢強くて責任感もある。けれど、何でも自分1人で抱えこもうとする悪い癖がある。
私に気づいて妹の顔が上がった。そしてすぐに涙を拭き取って、何でもないような顔をしようとする。
私たちは生まれた時からずっと一緒に過ごしてきた。誰よりも近くであなたを見てきたし、誰よりもあなたの幸せを望んでいる自信がある。
私はお姉ちゃんだ。きっとあなたの力になってみせる。だから、もっとお姉ちゃんに頼って。
11/8/2024, 9:21:39 AM