いつから声を押し殺して泣くようになったのか。
子供の頃の"泣く"といえば、呼吸ができなくなるほどに大声で泣き喚くことだった。
でも私たちはいつしか、それをしなくなった。
泣いているのを知られたくなかったのだろうか。
それとも感情よりも先に涙が溢れてくるようになって、声はもはや泣くためには必要ではなくなってしまったのだろうか。
どれだけ涙を零しても息を詰まらせても心からは何も流れていかない夜があった。
ふと昔を思い出して、わざと声を上げて泣いてみた。
自分の泣き声が聞こえた。
そこで初めて、自分が静寂の中で泣いていたことに気づいた。
自分が今まで泣き声だと思っていた、押し殺した嗚咽は、それはあまりにも小さかったのだ。
自分でも、自分が泣いていると気づけないくらいに。
大人になったら、泣き声を上げても誰も助けてはくれないから。
せめて自分は、傍観者でいるだけではなく、泣き声に耳を傾けてやるべきだと思う。
10/7/2025, 1:24:53 PM