かきくけ子

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あっくんの弟は2歳です。
生まれた頃はちっちゃくて、こわれそうで、ふれるのも怖かったけど、
今では、あっくんといっしょに遊びます。
今もお昼ごはんを食べ終ったので
お着替えをします。

「あっくん、こうちゃんの
    お着替え、手伝ってあげて」

お母さんが食事の片付けをしながら
言いました。
あっくんは、お口をタオルでふいて、急いでこうちゃんのところにかけつけました。
こうちゃんは、ケチャップで汚れたズボンをぬいでいます。
最近は両手でゴムのところをつかんで
下に下げるのが上手になりました。
今度はウサギの絵がかいたズボンを
はきます。

「それじゃあ 逆さまだよ」

こうちゃんは足が出るところからはこうとしていました。
あっくんは違うと言って引っ張りました。
こうちゃんは怒り、そして泣いてしまいました。
お母さんがかけつけます。
「あっくんありがとう 
   教えようとしたよね」
お母さんが正しくはかせて今は
おもちゃに夢中です。

「今度はあっくんのお着替えしましょうね。あら、肌着の袖の部分が中で
くるんくるんってなってる」

お母さんはあっくんの腕をまくりあげ
肌着をつかみ引っ張ります。
あっくんはこれが大好きです。
この時だけはお母さんはあっくんだけを見てくれます。こうちゃんもいません。あっくんだけのお母さんです。喜んでもう片方の腕も出します。

「これで寒くないね」

大人になったあっくんは片方の袖を
自分で引っ張ります。
引っ張る度に思い出す
寒い日の遠い思い出です。

#254








12/7/2024, 9:18:52 AM