夢小説大好き

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春爛漫とは春に咲く花で明るく満ちているとか輝いていると言う意味らしい。

『なあ?ジン』

「何だ?」

『うちってさ…一応秘密組織でさ。悪いことしまくりなのにさ』

目の前には大きな桜の木。満開に咲き誇る姿に素直に綺麗だと思うが周りには黒ずくめの服に身を包んだ者ばかり。

『全員集めて飲み会とかしてんの?』

「いきなりボスが全員出席で花見をしろと言ってきたんだ。ボスの考えは分からん」

『あーボスって本当に意味不明だなー』

リュウガはため息を吐いた。とその時

『うお⁉️』

リュウガはいきなり背後から抱き締められて驚いた。背中にぶるんと柔らかい物が当たる。

「せっかくのお花見に辛気臭いわよ?リュウガ」

『ベルモット❗ちょっと胸が当たりすぎ❗』

ベルモットは顔を真っ赤にして慌てるリュウガに

「あらあら?リュウガは可愛いわね」

『ちょっ❗️ジン助け』

ジンがいる方に目を向けたらジンはすでに居なかった。

(あのやろう…❗️)

「ジンもたまには空気読むのね」

『どんな空気だよ⁉️てか服の中に手を入れようとすんな⁉️』

いつの間にかリュウガの胸に手が入りそうになっていた。

「たまにしか会えないんだから良いじゃない」

『公共の場なんだから止めなさい❗』

ベルモットはリュウガの言葉に仕方無いわねっと止めてリュウガの隣に座り直した。

「じゃあ次は二人っきりで楽しみましょうよ。夜まで」

リュウガはまた顔が赤くなる。ベルモットはリュウガの耳元で囁く。

「今からでも良いのよ」

『…夜まで我慢できるから❗からかうな❗』

「残念」

リュウガはベルモットと付き合っていた。毎回ベルモットに弄られていたが嫌いではなかった。春爛漫には程遠い黒ずくめの宴会だったが桜の下で会うベルモットは本当に綺麗で

『綺麗だな~』

とリュウガは言った。

「本当ね」

ベルモットも桜を見上げて言った。そんなベルモットの肩に手をかけて少し抱き寄せるリュウガ。

『今度は二人でお花見しような』

「…そうね」

ベルモットは嬉しそうに笑う。普段は見せない優しい姿にリュウガの心のなかは春爛漫だった。

終わり

4/10/2023, 11:46:15 PM