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▶142.「ただ君だけ」
141.「春爛漫」
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1.「永遠に」近い時を生きる人形‪✕‬‪✕‬‪✕‬
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「‪✕‬‪✕‬‪✕‬ノ、作ラレタ理由?」
「そうだ」

川岸に待機しているナナホシが、くりんと顔を傾けて尋ねれば、
背を向けて川の中にいた人形は、いつもの調子で頷いた。
ただ、ナナホシに顔を向けることはしなかった。

「言ってしまえば私は、ただ君だけに会うため、その為に作られた」
「僕ニ会ウタメ」
「そうだ」
「ソレダケ」
「動機となる要素はいくつかあったが、目的はそれだけだ」

ナナホシからの質問が止まると、両者の間にはしばらく沈黙が続く。
ちゃぷちゃぷと人形の立てる水音が不規則に跳ねる。

「‪✕‬‪✕‬‪✕‬、目標達成シタ」
「そうだ」

「‪✕‬‪✕‬‪✕‬、壊レル?」
「いいや、壊れはしないよ」
「ソウ…」

ナナホシにとって、一番大事な情報を聞けた。
だから喜んでいいはずだった。

でも違う。

もう、違う。


ナナホシには、それが分かった。
人間に寄り添うために作られたナナホシだから。


「‪✕‬‪✕‬‪✕‬、体モ服モ、キレイニナッタ」
「ああ、そうだな」

人形は、ナナホシの言葉を受けて服の水を慎重に絞り始めた。
1年以上風雨に晒され手入れもされなかった服は、繊維が傷んでいる。

「これは旅では使えないな。まだ替えの服なら大丈夫かもしれないが」
「新シク買ウ?」

「ああ、そうするしかない」

少し間が空いたあとに出た、ため息が混じったような言葉は、
ナナホシに一つの確信を持たせた。


✕‬‪✕‬‪✕‬は、

心を、知ったんだ。

5/13/2025, 3:04:45 AM