墓守

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学校帰り。
下車するはずの駅を通り越して、計画のない行動に出てみた。

寄ったのは隣駅にある喫茶店。
お洒落な雰囲気と珈琲のいい匂いに誘われて、つい足を踏み入れてしまった。

カウンター席に座ってメニューを眺める。
アルバイトなどをやっていない自分には少々割高なお値段の品だが、今日ぐらいはいいだろう。


しばらくすると注文した珈琲とパンケーキが届いた。
私はパンケーキに眼を奪われた。

『なにこれっ!!』

そこには漫画などに出てくるような、ふわふわの黄色い生地ととろ~りと溶けたバターがかかっていた。
なんて美味しそうなんだろう。

店員さんは続けてメープルシロップの入った容器を差し出した。

『めーぷるしろっぷっ!?』

私はすぐさまメープルシロップの入った容器に手を掛ける。そしてパンケーキの上にゆっくりとかける。

きらきらの光沢が店内の暖かい光りに反射して、私を写している。光沢と同じぐらい輝いた顔をしている私の瞳がそこには写っていた。


子供みたい。

題『ココロオドル』

10/9/2024, 11:19:31 AM