貴女の心の風景は、今はどんな様子でしょう。
昔のご自分の写真を見て、貴女は思わずふふっと笑いました。その写真に写った中学生の頃の貴女が、あまりにも不幸せそうなふくれっ面だったからです。
あの頃の貴女は、ご自分が大嫌いでしたね。小学生の頃はお山の大将でいられたけれど、中学校に入って自分より優秀な人がたくさんいると知り、また運動部から入部して数日で逃げ出したという後ろめたさもあり、自分が本当につまらない、嫌な、どうしようもない人間だとしか思えませんでしたね。ですから、あの時の貴女の心は、暗く陰惨な荒れ模様がずっと続いていました。
さて、今はどうですか。少しは変わりましたか。
俺からすれば、貴女は全く別人のように変わりました。
できることはもちろん増えましたし、視野も広がりました。何より、ご自分を大切にすることを、少しずつ覚えてくれています。だめだったこと、できなかったことを数え上げて落ち込んだりする日もありますが、それにも自分で気づくことができています。
今の貴女の心の風景は、穏やかに温かい、春の山辺のようです。
これから天気が変わることもあるでしょう、風が吹いたり雨が降ったりもするでしょう。けれど、その場所の美しさは何も変わらずそこにあります。そういうものなのです。」
4/12/2025, 2:43:43 PM