Soda

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みかん

みかんと聞いて思いつくことは山ほどあるだろう。
甘いや酸っぱい、丸い、こたつ…などさまざまだ。
だが、私はそのようなことの他に思いついたことがある。
芥川龍之介が書いた小説である『蜜柑』が頭に浮かんだ。
この話は冬の列車が舞台になっており、中年の男が人生に嫌気を差して生きていた。相席してきた田舎の女の子が自分を見送りに来た弟たちにお礼に列車からみかんを投げてプレゼントした。その光景を見て、男は人生に感じてた嫌気が少し取り払われたことを感じ取るという話である。
実は、この話は芥川が結婚をしたり、作品がヒットして人生が順風満帆に動いている時と同じくらいに書かれた作品だとされている。
私はこの仮説を聞いて、とても納得した。
なぜなら、芥川は今まで生きにくい中で生きていたことを冬の列車を舞台としているからだ。
そして、みかんはその生きづらい人生の中に結婚などといった自身に対してささやかな光と感じたのではないかと思ったからだ。

12/29/2024, 10:46:34 AM