わたゆめ

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虹の始まりを探して

小学生のとき、虹の橋のふもとに行きたいと隣町まで追いかけたことがある。

隣町までの距離じゃ少しも近付かなくて、さらに隣町まで行くと私だけで足の踏み込んだことのない地域になるので諦めた。

虹がとても大きいことを思い知った。
子供の足じゃ、どんなに頑張ってもたどり着かない。

虹の橋はぼんやりとしていて見えないけれど、虹の橋を下から見てみるとどんな風に見えるのか気になったのだ。

中学生になって、理科の授業でそんな光景があり得ないことを知った。

私たちは、太陽の光が雨粒に反射して目に入ったものを虹として見ているからだ。
つまり、私たちが虹を見ているとき、私たちの背中には太陽がある。必ずある。

きっと虹の橋の下にたどりついたときには、天は雨空なのだ。

大人になっても虹の下にはたどり着かない。
その理由を知った。

7/28/2025, 1:18:28 PM