『最後の声』
古いアルバムをめくると、懐かしい写真が目に入った。
当時大好きだった彼と、仲睦まじくうっている写真。
当時は、永遠の別れが来るなんて想像もしていなかった。
「忘れないで。」
彼の最後の言葉は、今でも覚えている。
でも、どうだろう、、、。
あれだけ、大好きだった。
あれだけ、愛おしかった。
あれだけ、恋してた。
それなのに彼の《最後の声》は、どう頑張っても思い出せない。
写真の中の私達は、若くキラキラと輝いて、まるで今にも声が聞こえてきそうなほどなのに、声だけは思い出せない。
それが不意に悲しくなって、彼に申し訳なくて、そっと静かにアルバムを閉じた。
6/26/2025, 12:15:03 PM