あの頃 君が住んでいた街へ
一人暮らしのアパート
駅前から続く商店街
夕飯の材料を買いながら
肩を並べて歩いた
ケータイも無くて
お互いの留守電でメッセージを確認して
待ち合わせはいつも
二人で決めた看板の前
あの看板ももう無くなってしまった
綺麗なビルが建って取り壊されてしまった
駅前から続く商店街もすっかり様変わりして
一緒に買い物をしたスーパーが公園になっていた
だけどまだ 君の住んでいたアパートは残っていたよ
もう君はいないけど 確かに君はここにいた
あの頃の自分と今の自分は
何かが変わったのだろうか
君と夕飯を作りながら
あの部屋で笑っていた自分と
家庭を持ち歳を重ね
今ここに立ち尽くす自分は
気まぐれでふらりとこの駅で降りた
分かっていたけど
懐かしさが寂しさに変わってゆく
決してあの頃に戻りたい訳じゃないのに
今が幸せであることは間違いないのに
もう帰ろう
家族が待つ我が家へ
きっと君も今頃
家族に囲まれて幸せな日々を送っているのだろう
ここではない
どこかの街で
1/28/2024, 11:03:06 AM