誰もいない教室
生徒たちが下校して教室棟には誰もいなくなった。そんな静まり返った教室に、私はひとり、忘れ物を取りに戻った。
教室の扉を開けようとした時、嫌な気配を感じてそーっと教室中を覗く。
教室の中には薄ぼんやりと透けた人達が何人かいた。
私は昔から"視える"質で、幼い頃から視える彼らを怖がることは無かった。
いたずら心から、教室の扉をガラッと勢いよく開けると彼らは一斉に私に注目して、そのまま固まったり「ぎゃー!!」と叫んでどこかへ消えたり、びっくりして泣き出す人もいた。
彼らは生きている私たちと同じく多種多様なんだな。
これは私が体験した、"生きた人間は'' 誰もいない教室のお話。
9/6/2025, 1:33:33 PM