それはまるで翠色の海
何よりも誰よりも鮮やかなドレスを纏って
吊り下げられた星空の下で踊るわ
懲りず押し寄せる波のように
台に載せられたケーキのように
あなたの為に、ただあなただけの為に
泡のように膨れ上がった手で
仔鹿のように震える足で
喚く頭の何処かで鐘が鳴り響いている
わんわんと誰かが泣いている
歪な星空の滲む手を持ち上げる力もないの
それでもきっと、あなたの為に踊ってみせるわ
綺麗でしょう、ただ一人の為に咲く花よ
たとえこの身体が崩れ落ちても
燃え盛る心臓を撃ち抜けるのはあなただけ
あなただけなのよ
私を止めて/捨てないで
誰も彼もが去って行くわ
鼻をつまんで、鼠を見るような目をして離れて行くわ
焦げた生地の端を避けて、汗で滲んだ額を睨んで
私を置いていなくなってしまう
蝕むつもりなんてなかったのに
腐るには早過ぎたはずの花は、毒にまみれて枯れ果てる
あなたは、あなただけは傍に居て
この手を握って泣いてほしい
この胸に縋って惜しんでほしい
ねえ、どうか此処に居て
だって私、死ぬ気で踊ったのよ
あなたの為に、ただあなただけの為に
報われなければきっと、百年先まで笑ってしまう
だからもう一度言うわ
丸くて柔い耳元で、あなたを呼んで懇願するわ
どうか私を、
(True Love)
7/23/2025, 11:36:50 AM