蝶よ花よ。
「おかーさん!おかーさん!」
どたどたと元気な足音と一緒に
大きな声でこちらに近づいてくる。
「見て見て!」
見せてきたのは用紙に描いたなにか。
肌色、黒色...そしてお気に入りのエプロンとスーツ。
一瞬何か分からなかったが、
どうやら私たちを描いてくれたようだ。
「これもしかして...私たち?すごーい!上手に描けたね!」
頭をわしゃわしゃと撫でるとえへへと笑う。
とても可愛らしい...
絵の才能はこれからきっと開花する。
「こんな素敵な絵を見せてくれてありがとう!」
「どういたしまして!」
絵を私に渡して元気な声は部屋の奥へと
消えていってしまった。
お父さんが帰ってきたら自慢しよう。
貰った絵を改めて見る。
絵から伝わる幸せが輝いていた。
語り部シルヴァ
8/8/2024, 10:43:45 AM