しゆカフェ

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『昨夜20時頃に〇〇市の住宅街で通り魔が』
プツン
最近のニュースは近所で起こってる
通り魔事件て持ち切りだ
いい加減このニュースやめてくれよ
という気持ちでテレビの電源をきる
やっべ親友と一緒に登校する約束してたんだった
急いで準備して家を出る
「朝のニュース見た?最近あればっかりだよな」
こいつも同じことを思ったらしい
「ほんとそうだよな警察は何してるんだろ笑」
この市で起きている事件だから
本来このように談笑している場合では無いのだろう
でも朝くらいはそんなことを忘れて話させてほしい
「お前今日塾行く?」
今日は自習だから塾に行かなくてもいいのだが...
「テスト近いし行こうかな」
「まじ?じゃあ一緒に帰ろうぜ」
そんな約束をして


放課後になった
塾に行くまでの道で他愛のない話をする
部活の後だから外は暗かった
この後通り魔に襲われるなんて思ってなさそうな
親友を横目に俺は鞄に手を伸ばした
グサッ
腹の少し上の辺りに何かが刺さった感覚があった
呆気にとられたから痛みは感じなかった
ワイシャツが赤く染まっていく
ドクンッドクンッ
やけに鼓動が大きく聞こえる
「お前が...お前が通り魔なのか?」
友達が俺の事を刺したであろう人物に尋ねた
そんなこと聞いてるうちに刺されるぞお前
と思ったのもつかの間俺のことを刺したやつは言った
「そうだ俺が今までの通り魔の犯人だ」
「お前っ...こいつが何をしたって言うんだよ」
友が叫ぶ
朦朧とした思考で思った
(こいつは誰だ?今までの通り魔事件の犯人は俺なのに...もしかして俺の起こした事件だと思っていたあのニュースはこいつの起こした事件だったのか?)
4分間の沈黙を経て俺は眠りについた

「死んだか?」
友の生死を確認する
無事に息の根は止まったようだ
オレのことを親友と呼ぶこいつを刺した人物が問う
「なんでこいつが通り魔事件の犯人だってわかったんだ?」
なんでわかったかって?愚問だな
「だってこいつ俺が見ていることに気づかずに毎日塾の帰りに殺ってるんだ...バカだよなぁ笑」
塾の秀才や天才達が次々に消えて俺は塾内1位になった
結構人数がいる塾だから容易いことでは無い
だからオレもこの順位をキープしたいんだ
学歴厨の親にも怒られねぇしむしろ褒められる
お前には感謝してるよ
塾内の成績をあげるにはこれが1番だもんなぁ?
次はオレの番だとわかっていたから手を打ったまでだ
お前がやったことと同じことをしただけだから
恨むんじゃねぇぞ?
お前とオレは親友だもんなぁ?

6/8/2025, 12:28:54 PM