風に身を任せ
そこは…闇より深く暗く窮屈な世界だった。
抜け出したい…自由になりたいとその二つの思考が毎日繰り返し頭によぎる。
それ以外考えられず…いや考えられなかったのかもしれない、そんな日々が続いていく。
窮屈な世界には重みがあった。まるで終わらない組体操のように何層にも自分と同じようなものが積み重なっていた。視界は変わらないまま軽くなったり重くなったりを繰り返す。
そんなある日の事、突然に日常が崩れた。
いつもと変わらないずっしりとした感覚はなく、どこか浮憂感がある。一定の速度で上下に揺らされたかと思えば、急に止まったり、、とにかく初めての感覚で戸惑いが隠せなかった、
その時闇より深く暗かった普段の情景は突如として無くなった。
それは私がずっと待ち望んでいた世界だった。
少ししつこいくらいに光り続けている世界に私は今飛んでいる。
目の前にあるのかと錯覚するくらい光り続けている太陽の存在を忘れるくらいに風が気持ちいい、
どこに向かっていくのかも、これからどうして行くのかも何も決まっていないが、何故か不安はなかった。
風に導かれるままにどこへ終点として向かうのか。そんな事を考えるだけで今はきっと世界中の誰よりも満喫してるのだろう。
補足・ 積み重なった資料の1枚の紙が飛ばされる物語
です。
5/15/2024, 8:59:15 AM