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『つもりでいたい』

終電を過ぎる時は連絡しようね。
おかえり、ただいまはどんなことがあっても言い合おうね。

一緒に住む時に2人で決めたルール。

田舎の高校を出て、
蒼は東京の大学へ。
ゆいは、地元の専門学校へ。

3年間の遠距離を経て、
この春、蒼の就職を機に一緒に住むことに決めた。

これまで2人は喧嘩をしたことがない。
地元でも有名なおしどりカップルだった。
この先も、無駄な喧嘩をしないために、2人で決めた2つのルール。

お盆の帰省前、蒼が終電を過ぎても帰ってこない。
ゆいは何度も電話した。
でなかった。

1時をすぎて、蒼は千鳥足で帰宅した、
玄関で待っていたゆいは、扉が開いたと同時に問い詰めた。遅くなったこと、連絡しなかったこと。そして、思いの丈を打ちつけた。
気分はグレー。

お盆が来てお互いの実家で別々に3日過ごした。

牧がゆいを飲みに誘う。
高校の同級生。共通の知り合い。

蒼、めっちゃ仕事してるな。
相当忙しそうよ。なんか、上司が遅くまで働かせて、その上長々飲みに誘うって。

知らなかった。そんなに遅くまで仕事してること。


次の日牧が蒼を誘う。
ゆいの友達のさ、さきちゃんだっけ。あの、同じ時期に上京した。
最近彼氏に浮気されたんだって。浮気なんて不毛だよな。
知らなかった。そんなことがあったなんて。


知ってるつもり。
わかってるつもり。

には、

まだ知らない。
まだわかれる。

という変換ルールがあるかもしれない。


恋愛にルールはいらない。
必要なのは、つもりでいたいその気持ち。

4/25/2026, 9:11:45 AM