とぅるとぅるな酢飯

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勘違いしていたんだ。君は世界で一つだけってね。
優秀で秀才だった君に誰もが羨み君の努力を認めていた。僕もそうさ。だからこそ、君のことをなんでも出来る我々とは一味もふた味も違う者だと思っていた。
でも違ったんだ。君は物じゃなく我々と同じ人間で、限界もちゃんとあって、プレッシャーだってもちろん感じていただろう。みんなからのプレッシャーが積み重なって君を押し潰して、色んな責任を笑顔で渡されてきたのだろう。
気づくのが遅すぎた。今でも覚えている。線香の匂いが漂う部屋に誰もが通常なら眠気を誘われる言葉が耳に入り込んでくる。布切れで罪悪感を拭いきれなかった僕は、冷たい石になった君にこう言い続けている。
「君は世界に1人だけ」

9/9/2023, 12:47:14 PM