『理想のあなた』
冷静で常に一歩先のことを見据えているかのように振る舞う。
同い年とは思えない大人びた姿勢。
メガネをかけて黒い髪の清楚な君。
たまに笑うその顔は誰もがきっと魅了されてしまうだろう。
趣味はゲームが好きで...
ここで手が止まった。
どうしたのかと聞かれたが答える気にならなかった。
電話を取り出し返送の手続きをお願いした。
最近話題の自立稼動型アンドロイド。
設定を入力すればAIがそれに近しい行動を取り、
学習次第で人間のような存在にもできる。
ずっと欲しいと思った。
けれど今になってそれが虚しくなった。
どれだけ精巧に作れてもあなたを真似するモノだから。
そう思ってしまうには少し遅かったようだ。
あなたを失い、虚しいことをしてる自分が嫌になったから。
語り部シルヴァ
5/20/2026, 11:14:16 AM