「どうして、俺達は列車の中に居るんですか?」
俺は目の前に座る車掌さんに話しかける。
深く帽子を被っていて、その表情は読み取れない。
「...どこか停まったりしないんですか?」
..._____...沈黙。
(この車掌話す気あるのか?)
話しかけたのだから返してほしいものだ。無視は良くないと思う、俺はね。
「...あのー...」
「あの人は人生を列車か何かだと思われてます。前の車両に行くほど新しくなり、後ろの車両に行くほど古くなります。最後尾の車両は世界が歪んでいるため入れません」
「...ということは、あの人って人の中に俺達が生きてるってこと?」
「どうなのでしょうか。詳細は知らされていません」
俺はふと窓の外を見る。
雨が降り始めた。
お題 「どうしてこの世界は」
6/10/2025, 9:23:20 AM