それは時に音になって
それは時に形になって
思考の波に沈む手前
常時暗い空からそれは落ちてくる。
おやおやまぁ、困ったもんだ。
思考の海に沈むにも沈めない時にやって来るとは…。
海から離れ、手元に傘を呼び寄せて広げる。
アレに当たったら厄介なことこの上ない。
可能なら耳栓もあったほうが良いが
まぁ、たまには音だけでも受け取っておこう。
「普通はこうするよね」
「マジ、ウザいしダルいわ」
「こういうの本当、キモいんだけど」
「こんなにやってるのにさぁ」
空から落ちてきたものが広げた傘に当たる度に
誰とも知れぬ人の声が傘の中に響く。
どうやら本体がSNSのタイムラインを読んでいるようだ。
まったく…。
タイムラインを見るのは楽しいという気持ちはわからなくはないが、流し見でも言葉はちゃんとこうしてここに届く。
そして、普段は穏やかな思考の海が空からの飛来物によって大荒れになるのだが…。
まったく…活字中毒だが何だか知らないが
こちらに寄こす言葉位選んでほしいもんだ。
ため息をついても次から次へとやってくる言葉にかき消えてしまう。
言葉の雨はまだ当分、止みそうにない。
8/27/2023, 11:15:58 AM