とらた とらお

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嫉妬と仲間意識
それぞれ、いい方に働くこともあれば
悪い方に働くこともある

この2つが共に悪い方に
しかも強く働いてしまった時
それは醜い様を映し出す

昨日まではしゃぎあっていた仲間が
一夜にして1人の人間を除外した
どうも色恋沙汰だったようだ

しかもこの仲間内ではなく
別の仲間内での問題ということだった
情報を得るのに手間取ったわけだ

誰が悪いというものではなく
選ばれなかった子を守るため
選ばれた子と距離を置いているようだった

はあ…
こっちの身にもなってほしい

幸い私は特定のグループを作らない主義だ
誰とでも分け隔てなく接する
一匹狼であると同時に全員と仲間でもあった

後輩たちは下手に手を出せない
つまり、私がどうにかする他なかった
しかし私が下した決断は
「なにもしない」だった

実は過去に苦い経験があった
色恋ではない理由で
1人除外されていることに気づいた私は
唯一の話し相手になって助けようとした

まさかそれが火に油を注ぐとは思わずに

その子の話し相手は唯一私だけ
それは即ち、私の独り占めを意味した
よくも悪くも私は人気があったらしい

私がその子に話しかけに行くことも
その子が私に話しかけに来ることも
すべて阻害されるようになってしまった

それがその子の置かれる状況に
どんな結果を生むのか
推して知るべしであろう

この苦い経験を私はずっと引きずっていた

「なにもしない」は「行動しない」ではない
「これまでどおりを維持する」だった
話しすぎない関係だったのも幸いした

みなから存在を消されている中
私は“いつもどおり”あいさつをする

みながその子の作ったドリンクを取らない中
私は“いつもどおり”取る
そして取りづらそうにしている後輩へ渡す

困ったことがあったら
“いつもどおり”声をかけて尋ねる
さすがにこの行動は後輩たちがビクッとしていた

悪いね
私は鈍感だから
険悪だなんて気づかなかったよ 笑

その子はきつい状況に置かれた中
立ち回りを間違えることはなかった
つまり、自ら話しかけにくることはなかった

それをどれだけの期間続けただろう
分からないくらい長く感じた
そしてまた一夜が過ぎたとき
皆が笑いあってそこに存在していた

正直、ポカンだ 笑
どうやら同じ失敗を繰り返さずに済んだらしい

そして得たものもあった
その子の私への扱いが変わった
かつてはイジり倒されていたのに…
あれは…デレデレだ

どうも私が冷ややかな目で観察し
どう行動するか思案しているのを見たらしい
数歩歩む中でしていたはずだから
長い時間はかけていなかったのだが

今回は私の功績ではない
その子が時が来るまで耐え続けたおかげだった
離れることも出来たのにそれをせず

とにもかくにも
軋轢が元々なかったごとく騒ぐのを見て
私はひとり、安堵のため息をついていた

7/6/2024, 4:04:58 PM