こんな夢を見た。私は鳥になって、空を飛び続けている。ただもっと遠くの空へと、青と白の中を飛んでいく。上昇気流に乗りながら、どこまで飛んだのか気になって下を見ると、海が見えた。船でも浮いているのか、青のなかにちらほら白が見える。宙返りでもしたら、海と空が分からなくなりそうだ。
「…楽しそうだし、やってみようかな」
思い立って軽々とした身のこなしで宙返りをする。我ながら良い宙返りだと自画自賛していると、海面ギリギリを私は飛んでいた。慌てて、空へ急上昇する。海に墜落しなくて良かった、と安堵していると、違和感を覚えた。上昇するスピードが早い。上昇気流に乗っているわけでもないのに、まるで落下してるような速さだ。いや、私は空に向かって落下しているのだ。パニックになった頭を必死に回転させ、一つの単語が閃いた。
「そうだ、宙返り!」
今の状況は宙返りしたからだ。だったら、もう一度宙返りすれば良いのでは?成層圏に近づく体を海面に向かって上昇させ、宙返りをする。すると、今度は海へ落下しそうになった。すぐに体勢を変え、元の飛行に戻る。余計なことをするものじゃない、とため息をついた。空どころか宇宙に行くところだった。宇宙に行くのは地球の最果てに着いた後で良い。上昇気流に乗り、青空の中に私は消えていった。
4/13/2026, 1:29:19 AM