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壁。いや?。窓越し?。我が家に窓はない。磨りガラスの引き戸しかない。居間だけ最上段が透明だが、そこから見えるのは隣接する幼稚園である。今は小さな裏庭のいろんな木が成長し過ぎて、その葉で幼稚園さえ見えない。あの葉先がいくつにも分かれた大きな葉っぱの木は何と言うのだろう。それが今は幼稚園からの目隠しになっている。昔はその透明ガラスから外を見ていると、目の前は園長室と職員室なので幼稚園の先生と目があったりしてバツが悪かったりした。窓といえばラジオCMで窓に関する文学作品を朗読するものがあった。堀辰雄や岡本かの子の作品だっただろうか。実は今、堀辰雄の『風立ちぬ』を読んでいる。小橋めぐみのトークイベントで小橋めぐみの写真集のタイトル『愛、立ちぬ』は宮崎駿監督の『風立ちぬ』からインスピレーションを得てタイトルをつけたという話があり、まだ観ていない『風立ちぬ』を観たくなった。『風立ちぬ』といえば堀辰雄だ。今読んでいるゴマブックスの電子書籍版『風立ちぬ』の表紙にも「世界のミヤザキにインスピレーションを与えた」というキャッチフレーズが書かれている。映画は図書館のDVDを予約していたものが長く待たされてようやく借りられると連絡が来たので、DVDはまだ受け取りに行っていないが、映画を観る前に堀辰雄の『風立ちぬ』を読んでおきたいということで読み始めたばかりだ。堀辰雄は初めて読むが、文章表現に並外れた旨味を感じる。冒頭に壁と書いたが、ドラマなどでよくあるパターンのイメージだ。住宅街だと窓の外は隣家の窓というのがありがちで、何かバツが悪い。いっそ壁の方が気が楽なので、窓の外は壁というのは憧れでもある。話は逸れるが、岡本かの子といえば「芸術は爆発だ」の岡本太郎の母親だ。先日、シュールレアリスムの美術展を観に美術館に行ったのだが、岡本太郎の絵が1点あった。何か凄味のようなものを感じた。

7/1/2024, 6:49:45 PM