鏡の向こうの「自分」が言っていた。
「僕たちはいつか会えると思うんだ」
電線に連なるカラスたちは隊列を組んで遠くの空へ飛び立って行った。
深く息を吸う。山々が聳え立っている。
私と、彼は何を以って隔てられているのだろうか。
思考がめぐる中で、鳥が田んぼを歩いているのを見つけた。遠くから伺い、飛び立つその瞬間を──捉える。
シャッター音が響く。
カメラロールには、夕陽に向かって、優雅に翼を広げる一羽のサギが収められていた。
「……」
何が私と彼を隔てているのだろうか。
今はわからない。しかし、仰ぎ見る空に終わりがなく、目に映す青が同じなのは確かだ。
『染まりゆく瞳』
お題
「大空」
【ouroboros】
12/21/2022, 2:10:51 PM