佐藤翼

Open App

死体たちが踊り狂っている。
深夜の仕事中、ビルの外が明るくなった。
夜が明けたのかと思った。
窓の外に、道を覆うほどの死体の群れ。
彼らは燃えながら踊っていた。
背後で爆発音が鳴る。
死体たちが壁を突き抜けて部屋に押しかけてきた。
熱い。顔を手でかばう。
広がっていく炎の中に見る。
死体は笑っていた。
笑いながら歌っていた。
一人に手を差し伸べられる。
溶け落ちた顔で、むき出しの目で、笑う。
手を取った。
体に炎が行き渡る。
髪も服も燃やしてでたらめに踊る。
私は笑った。
こんなに簡単なことだった。
こんなことで人生は楽しくなる。
死体の群れは夜を練り歩く。
そうして夜明けと共に消えた。

題:踊りませんか?

10/4/2024, 12:24:10 PM