冬至。

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「はっぴばーすでー!!」
勢いよくドアを開いて遠慮なしにドタドタ入って来るコイツは10何年になるだろうおれの友だち。
1番近いおれの友だち。
いきなりの侵入者に驚いて振り向くとその手には大きなケーキが乗っていた。
思わず怒るのを忘れて笑ってしまう。
「何それどーした」
「何ってお前の誕生日だろ。さぁさぁロウソク消して消して」
目の前に差し出されたその大きなケーキにはすでに火が灯されていて白いケーキの上でゆらゆら揺れていた。
「お前…それ点けて入って来たの?普通に危なくね?」
「上手に持って来たから大丈夫!」
謎の自信と共にさらにおれの顔に近付けてくる。
「ロウソク消してお願いして」
炎の先でアイツが笑う。
そっと回し吹くようにしてすべてのロウソクを消した。
「はい!おめでとー!!」
どこから取り出したのかフォークを突き刺してひと口分のケーキを上手に切り抜く。
それからおれの口元に運んで来てにんまり笑う。
「いいよ自分で食べれるから」
「いいからいいから」
コイツは1度やり出すと聞かないので大人しく口に含んだ。
甘い風味が口の中に広がる。
「…美味しいよ」
「それならよかった」
満足したように笑ってテーブルの上にケーキを乗せた。
「お前は食べないの?」
「あぁ!後でまた一緒に食べよう」
入って来ると同時に足元に置かれていた紙袋をガサゴソしながら応える。
「あとコレ、プレゼントな!」
にこやかにその沢山の紙袋を目の前に差し出して来る。
それを受け取って中を覗くと色んなものが入っていた。
「こんなにいいのに…」
「俺があげたかったからね!他にも何か欲しいものあったら言って」
「もう充分だよ」
「まだまだ受け付けてるよ?」
にこにこと微笑みながら尋ねてくる。
「んーじゃあ…お金ちょーだい」
ふざけてそう言うと彼は一際笑って
「ふざけんな」
と言った。
何でもいいって言ったじゃないか。
まぁ冗談だけどね。
本当に欲しいのは1つだけ。
「そーいえばさっきはなんてお願いしたの?」
「ないしょ」
曖昧に笑って答えた。

願いなんて決まってる。
この先もずっとお前の側に居れますよーに。
病める時も健やかなる時もお前とずっとずっと共に。
願いなんてこれしか思い付かないよ。



                🐯🐵(1つだけ)

4/4/2026, 9:28:47 AM