「8月31日、午後5時」
8月31日の午後5時
私は死んだ
いつも通りの天気
いつも通りの時間
いつも通りの学校
そして
いつも通りの
いや 違う
いつもと違う世界
今日は8月31日
私の誕生日
それと
私の命日
私の思い出はない
覚えているのは友達が死んだこと
友達は世界に殺された
変わってしまった世界に
そして私も死んだ
全部無くなった
記憶も
感情も
友達も
世界も
私も
8月31日
事故だった
私は人間じゃ無くなってしまうのが怖かった
みんないなくなった
私は取り残された
横断歩道の真ん中
車はこちらに走ってきていた
運転してるのは
人間じゃない何かだった
午後5時
私は考えることをやめた
死んだらみんなの所に行けると思った
私はわざと車に轢かれた
車は止まりもせず
そのまま私を引きずった
私は死ぬことができた
でも
みんなはいなかった
暗いところで一人
怖いとは思わなかった
考えることをやめたから
人間じゃ無くなってしまったから
8月31日 午後4時
私は死んだ
夢だった
朝起きた
ご飯を食べた
学校に行った
家に帰ってきた
誰もいない
当たり前
私の家族は死んだ
世界に殺された
違う
世界は
私が殺した
私がみんなを殺した
私は人間じゃなかった
だから
私は自分を殺した
8月31日 午後5時
私は死んだ
9/1/2025, 6:27:02 AM