誰かのためになるならば
砂浜を歩きながら、落ちているペットボトル拾い、持っていたゴミ袋に放り込む。
これで何個目だろう、拾っても拾っても、また落ちている。
ペットボトルだけじゃない、ゴミなんてたくさん捨てられている。
照りつける日差しは暑く、額から汗が滲み出た。
腕の袖で、汗をグイッと拭う。しばらくすると、カモメたちの声が遠くから聞こえた。
「……あっちぃ」
何時間、ゴミ拾いしていただろうか。夢中でしていたので、そろそろ休憩をしようと思い、その場に座り込む。
少し砂浜は暑かったが、まだ座れる。目を瞑り、耳を澄ました。
ざぁぁ、ざぶんっと音を立てる波の音は、いつ聞いても心地よい。
目をゆっくり開いて、青い海を見つめる。綺麗に見えるけど、ビニール袋が波に乗って、ゆらゆら揺れていた。
「さぁ、休憩終了。ゴミ拾いに戻ろうか」
立ち上がり、手を組んでグーっと上に伸びる。
ゴミ袋が顔に当たりそうになった。
波際まで近づいて、打ち上げられたゴミを拾い、袋の中へ。
溜まっていく、ゴミ、ゴミ、ゴミ。海からゴミを無くしたい。綺麗な海を次の世代に残したい。そのためになるのならば――
「どんなことでも頑張れる」
ふふっと笑みが溢れる。雲一つない青い空を見上げた――
7/26/2023, 1:19:08 PM