沈溺 つろ (シズレ)

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とある夏の日のこと。古びた暗い古民家の一室。

「夜なってもほんま暑ぐるしいなぁ…せやけど俺、
季節の中やと夏がいっちゃん好きやねん、まあ…
冬も好きやけどな(笑)」

「………」

「てか涼音(すずね)聞いてや!俺ら付き合ってもうすぐで4年くらい経つんやで?ほんま時間経つの早すぎひん?(笑)俺が涼音に告ったときのこと思い出すわ〜」

「………」

「あ、そうや。去年の夏、一緒に祭り行ったとき、
水色の浴衣着とったやろ?涼音の浴衣姿ばり可愛かったし、また着てほしいんやけど!(笑)」

「………」

「…ん?なんか、涼音肌白ない?まぁ、どんな涼音でも可愛ええからええけどな。……なんてな!(笑)」

「………」

「てか、ずっと瞳孔開きっぱなしちゃう?(笑)
あ、あれやろ!ようSNSで見る「好きな人を見ると無意識に瞳孔が開く」ってやつ!(笑)もう4年も付き合ってんねんから、好きくらい言うてくれてもええねんで!(笑)」

「………」

「なあ。なんで凪斗(なぎと)と浮気してたこと俺に隠してたん?」

「………」

「って言っても、答えなんかもう返ってこうへんか(笑)
肌もさっき白なったばっかりやもんな。その茶色のワンピースも、落ち着いた色で涼音によう似合っとるよ。世界に1つだけやもんな。」

「………」

「待っててな。今そっち行くからな。」

涼音にキスをし、酸化した血が染みている畳に寝転び、そっと目を閉じた。





テーマ「美しい」
題名「執着心」

1/16/2026, 12:18:39 PM