「お外に出てみませんか」
「…………」
こんな底冷えのする日に、どうしてまた、わざわざ俺なんぞを誘うのか。そんな考えが頭をかすめたが、ウメの口元結んだ姿に負ける。
突っぱねたところで得があるわけでもなし、きっとウメはしょげて家に残るだろし、そうなりゃ俺も居心地が悪くなって、「やっぱり用を思い出した」などと口走り、ウメの手取って杖つくんだな。
お梅の言うこと笑うこと、なんでも良いもんに繋がってる。
引き戸開ければ、よおく判った。
「はあ澄んだ空気よな」
「ふふ」
そうでしょうと誇らし気な梅。
ああ良いもんだ。俺がこれ見て、隣歩いて。支えられて、ゆくらゆくらと。
ウメ御前、ほんとに今空のようだなあ。
「ほらみてください」
なにが楽しか、よくある花々の、咲き具合にすら笑ってやがる。
比べて俺のジメジメした性根といえば、草履を引きずる跡にも出てら。
【冬晴れ】
1/5/2026, 12:50:30 PM