湊幸

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「君は今」
私は生まれつき体が弱かった。退院しては入院、
退院しては入院を繰り返していたのだ。
何にもやることがないし、ご飯ははっきり言って
母のものの方が美味しかった。

唯一の楽しみと言えばお見舞いの食べ物と、
同じく入院している男の子と話すことであった。
私の体調が悪い時は彼が花を、
彼の体調が悪い時は私が菓子を渡し合うぐらい
には仲が良かった。

彼の太陽のように明るい性格も小麦色の肌も
大好きだった。
困った時は「どうしたの?」と話しかけてくれるし、
笑った時のえくぼが似合う子だった。

意外と楽しい日々だったが私がいよいよ退院という日に
彼の意識は無くなってしまった。

今でもあの日の夢を見る。

そんな君は今、重い夢の中で苦しくないのだろうか。

君は今、何を感じているのだろう?
あなたが苦しむのなら私が代わってあげたいぐらい、
君がいない日々はとても寂しい。
早く君に会える日が来ないものか……

2/26/2023, 2:49:35 PM