「リアルな魔法って、おもしろい言葉だと思わない?」
彼女の唐突な問いに僕は戸惑った。
「うん?」
と短く返すのが精いっぱいであったが、彼女には十分のようだった。
「だってね、魔法って言うぐらいだから何でもできたっておかしくないのに、漫画の魔法使いはみんな厳しい修行を積んでるんだもの」
そう早口でまくし立てた後、僕の目をみつめて
「そう思うでしょ」
と付け加えた。
その仕草がなんとも可愛らしくて、僕は彼女が何の話をしていたか忘れかけた。
「そうだね」
そう言うと彼女は少し自慢げな顔をしていたので、
「だけどさ、君は魔術的にかわいいと思うよ」
と言っておいた。
2/24/2025, 12:37:55 AM