noname

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耳を澄ませて。
聞こえてくる音は、何だろう。

...もっと、深く澄まそう。
もっと。もっと深くまで。
深海までたどり着くほどの、底まで。

......。
どーゆうことだろうか。

何も、

何も聞こえない

ということは。

波の音すら、
心音すら、
君の、

君の声すら。

聞こえないのは。
どーゆうことだろうか。

知りたいから、耳を澄ます。
だけれど、澄ませば澄ますほど。
何も聞こえなくなる。

そうして、
波音に馳せた僕の疑問の音も。
聞こえたはずの君の泣き声すらも。

聞こえなくなった。

あぁ、僕の声は、
波の泡に消えて無くなったみたいだ。

答えなんて...出なかった。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

「耳を澄して...ほら!聞こえてくるでしょ?綺麗な海の音色...覚えていてね!」

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

ゆるゆるかいせつ〜

ん〜いわば自殺...。
よく見る自殺スポットというのかな?崖から飛び降りるみたいな。「君」とよく行った海辺で、綺麗な海の音色が聞こえると「君」に言われたが、「僕」は何も聞こえなかった。理由は、「君」しか見えてなかったから。崖から飛び降りたあと、海辺で頭を打ち、意識朦朧とする中、「君」に言われた綺麗な海の音色を耳を澄して聞こうとしても。遅かった。途中で出てくる「耳を澄ませば澄ますほど」の逆説は、時間経過と言ったら説明がつくかな。海の音色が聞こえないのは何故だろうかという疑問も。来てくれるはずの「君」の声も聞こえなくなっていって。最後に見た波に思いを馳せながら。死んだことに、聞こえないという疑問に答えはなかったと言って終わる。ひっそりとした自殺だから、「君」が来てくれるはずもなく。なんなら、最近会えてないみたいな。最後のセリフは、走馬灯的な。ね。君はちゃんと居たよ。子供の頃に海辺によく来て、そのあとは大人になってあんまし関わってないみたいな。「君」が覚えて欲しかったのは、音かな。大人になってまたここに来たいから、その時に覚えてていて欲しいみたいな。「僕」のほしいものは、最初は死だろうね。大人になって疲れて。死のうとして。でも、最後に聞けなかった音を聞こうとして無理だった。だかは、最後の最後に欲しかったもものは、「音」だろうね。

7/5/2025, 10:14:43 AM