朝の微睡み
僕の左腕に
心地よい痺れ
君の
安堵しきった寝顔と
柔らかい猫っ毛に
愛おしさが汲み上げて
空いた右手で
そっと
君の頭を撫でた
僕の時間は
あと
どれだけ
残っているんだろう
おかしいな
時間の流れは
一定のはずなのに
僕の砂時計だけ
砂の落ちるスピードが
どんどん
速くなっている
そんな気がするんだ
余命宣告されてからも
変わらなかった
その速さが
君と過ごす
この一瞬一瞬について
青天井で加速する
君と過ごす
あまりの幸福感と共に
君と過ごせなくなる
「いつか」が近づく恐怖感とで
僕の内界に嵐が轟くのだ
君は知らない
その時が
もう間近に
迫っていることを
君は知らない
眠る時間さえ
惜しく
君の寝顔を
頭の中に
焼き付けようと
必死な僕を
#砂時計の音
10/18/2025, 6:50:03 AM