最悪
悪いことというのは、重なるもので。
「うわ…最悪…」
思わず悪態をつく。
どうして、こんなところに落ちているのか。
お気に入りのリキッドファンデが
踏みつけられた衝撃で中身を床にぶちまけている。
どういうわけか
目覚ましもスマホのアラームも鳴らず
もうどう頑張ったって遅刻確定である。
まぁ…会社に着いたところで
昨日のトラブルのせいで気が重いばかりなのだが。
「もーう…」
なんだか、どうでもよくなってきた。
お風呂に勢いよくお湯を張り
溜まるまでの間で踏みつけてしまったものを片付ける。
幸いにも、半分くらいは残っているようだ。
なんだ。最悪でもないか。
お気に入りのアロマも垂らして、
ゆっくりお風呂に浸かって。
朝ごはんはいただきもののちょっといい鮭の瓶詰めを開けよう。
もうここまできたら、私は無敵だ。
何が何でも、最高だったとたと思える一日にしよう。
6/6/2023, 10:49:13 AM