題 キャンドル
灯りが灯るとなんだかそこは幻想的な世界。
いつもの場所なのにいつもの場所じゃない。
ちゃぷん
私はお風呂の湯に身体を沈めながら、お風呂の中のあちこちに置いたキャンドルを見つめる。
色々な色と香りがするキャンドル。
ガラスのキャンドル受けに入ってゆらゆらと炎を揺らす。
あらかじめ電気は消していたから、今感じられるのはほんわりとしたキャンドルの淡い光だけ。
その様子が優しく感じて、私は目が離せない。
お風呂の暖かさが心まで届いていくようで、瞳に映るキャンドルの煌めきがその暖かさを加速してくれるようで。
こんなに癒される事があるんだ、と思わず微笑んでしまう。
今日は少しだけお高めの入浴剤を入れたんだ。
キャンドルに合わせて、虹色にきらめく入浴剤。
今もオーロラのようにキラキラしててキレイなお湯にため息をつく。
(どうしてこんなに癒される事がこの世の中にあるんだろう。私は今、幸せ過ぎて癒し過ぎてこのお風呂ゾーンからぬけられないよ)
電気が消えて天井に水のユラユラが反射している。
そんな癒される光景を見ながら、私はただ、暖かさと優しさに身を委ねていた。
上がらなきゃ、明日はまた仕事なんだから、上がったらネット通販しなきゃ・・・。
そんな煩雑な考えが遠のいていく。
ま、いっか、あと少しだけ・・・。
こんな癒しから抜け出すなんて拷問だもん。
そう思いながら目をつぶった私の入浴タイムはまだまだ続くのであった。
11/19/2024, 3:22:10 PM