優歌里

Open App

『遠くの街へ』

ひとつ屋根の下
家族の楽しそうな声が聞こえてくる。
私は隣の暗い部屋で
その声を聞きながら眠りにつく。

長い長い夜が過ぎ朝が来る。
そっと扉が開き「体調はどお?」
扉の隙間からもれた部屋の灯りで目を覚ます。
朝が来るのが待ち遠しかった私には嬉しい時間だ。
見た夢の話
咳がひどくて辛かったこと
話したいことはたくさんあった。
けれども私は我慢した。
家族に同じ思いをさせたくはなかったからだ。

お粥をリクエストし
私は扉をパタンと閉めた。

数分後用意してもらったお粥を
時間をかけてゆっくりと食べる。
抽選で当たった北海道旅行のことを
想像しながら…
食べ終わり薬を飲んで再び横になる。

元気になって家族で行けたらいいなぁ〜。
遠くの街、北海道へ…

3/1/2024, 1:48:39 PM