明日にはいない人

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窓越しにみえるのは

日はてっぺんまで登り、足を動かすのも億劫なほどの熱気が地面から立ち込める。

こんな日に限って外回りの仕事を任される。本当にひどい話だ。

すぐ隣を走っていく車の風すら生暖かくて嫌になる。

右手に手提げかばんを持って、左手の服の裾で顔の汗を拭う。

大通りをひたすらあるいていく。ふと横を見ると知らないビルの窓越しにPC作業をしている人が見えた。

きっと冷房がきいているのだろう。

自分の会社は冷房のききがわるいせいで、あまり涼しさを感じない。羨ましい限りだ。

外回りついでにどこかの店で休憩してやろうか、、そんな考えが頭をよぎる。けれど、結局どこにも寄らずにまっすぐに帰社するのだろう。真面目というような性格ではないが、だからといって仕事中にサボるようなことはできない。

青々とした空を睨んで、ため息を付きながら歩みをすすめる。

仕事が終わったらコンビニでアイスを買おう。そう心の中で決めた。

7/2/2024, 3:24:34 AM