題これまでずっと
「ありがとう」
私は向かいにいる彼氏にお礼を言う。
「いきなり何?びっくりした」
カフェでデートの後のお茶してる時、不意にお礼を言いたくなってしまった。
「だって、私達、結構付き合って長いでしょ?」
ニコッと、笑って微笑むと、彼氏は不意に目を反らす。
「・・・それで?」
「それでね、今思い返してたんだぁ。今まで、たくさんいろんなとこ行って、たくさん私の事助けてくれて、たくさん笑い合ったこと。そしたら、すっごく幸せになって、感謝したくなっちゃったの」
私がそう言うと、彼氏は何故か両手で顔を覆う。
「この天然小悪魔め」
「へっ?なんで・・・?」
「そーいうこと平気で言ってくるところとかもう・・・」
「?」
私が不思議そうに彼氏を見守っていると、彼氏はしばらくそうしていたかと思うと、意を決したように手を顔から離す。
心なしか顔が赤いような・・・?
「ねぇ、大丈夫?顔赤いけど、もしかして風邪?」
「大丈夫じゃない!」
彼氏の言葉に慌てておでこに手を当てて熱を測ろうとして手を伸ばしたら、彼氏に、手首を掴まれる。
「?」
私がびっくりして彼氏の顔を見ると、真剣な眼差しの彼氏。
「好きだよ」
不意に言われてビクッとする。
「な、何?いきなりっ・・・」
今度は私が目を丸くすると、彼氏の眼差しがフッと和らぐ。
「仕返し、ダメージ受けた?」
「うう・・・」
優しい彼の眼差しと言葉に動揺してる私にからかうように彼が言う。
「いきなり言われると照れるね」
私が胸の鼓動を感じながら言うと、彼氏も頷く。
「だな・・・でも、ありがと、きみがそう言う風に思ってくれてて嬉しい、僕も同じ気持ちだから」
「・・・うん!」
私達の間に暖かい空気が流れている気がする。
優しい空気を感じながら、私はこれまで歩んできた相手がこの人で本当に良かったと思いながら幸せな笑みを浮かべていた。
7/13/2024, 1:28:06 AM