喜村

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 こんなに良い天気なのに、公園には誰もいない。私が子どもの時は、親や友達と一緒にこの公園にきていたのに、人っ子一人いない。
少子高齢化とは言うけれど、これ程子どもを見なくなってしまったのかと思った。

--キィ……

 風に揺れて遊具のブランコが鳴る。
きっと整備もなれていないだろう、随分と錆び付いている。
 お昼休憩でコンビニ帰りの袋を持っていた私は、そのブランコの鳴き声に足を止める。

--キィ……

 私は周りを見回した。誰も見てない、よね?
 コンビニの袋を片手にブランコに着席する。
せっかくなので、ここでお昼ごはんを食べよう。
もし人が来たら避ければいいよね?
よくドラマとかで、サラリーマンがワンカップ片手にブランコやベンチに座ってるシーンを見る。
 私はサンドイッチを食べながらため息をつく。
いつからか、私もそんな大人になってしまったのか、と。

--キィ……

 漕ぐまではいかないが、足でブランコを揺らしてみる。
懐かしい音がした。


【ブランコ】

2/1/2023, 10:52:07 AM