『星が溢れる』
夜空は淡くも、力強く光を放っている。一つずつの星はこんなに輝きを放っているものなのか。
今日は仕事でミスを連発して、たくさんの人に迷惑かけてしまった。日暮れごろ、全ての対応が落ち着くと、改めて部長に注意を受け、同期に見下すような目で見られ、後輩には気をつかわせた。誰にも言い訳はしなかったが、必死に対応する最中、「おればっかり」が頭の中で繰り返された。
報告書の作成が終わると、20時を過ぎており、オフィスは静まり返っていた。戸締りを済ませ、警備室に鍵を返す。
宵の口。今晩は星が輝く綺麗な夜空だ。誰の上にもある平等な景色。これだけのことで、重たく覆い被さっていた何かが、少し軽くなった気がした。歩き始めて間も無く、「お〜い」聞き馴染みのある声に、振り返る。ネクタイを緩め、コンビニ袋を持った手を振りながら、親友が小走りで近づいてくる。
「おつかれ〜帰り遅いじゃん」
「お疲れさん、そっちもな」
街灯と優しい星の光を浴びながら、二人並んで歩きながら話す。こいつなら少しぐらい愚痴ってもいいか、、、
「俺、今日ミスして、めちゃくちゃ怒られたよ」
「えっ、俺も俺も。ありえないことしっちゃって、明日のこと考えると地獄」
朗らかでいつも笑顔の親友は、俺の話を深掘りしてこない。丁度よくて心地よい感覚になる。
「あっ、おまえが好きそうなマンガ見つけてさ、めちゃくちゃ面白いんよ。遅いけど、今からうち来る?」
「おっ、いいね」
失敗続きの帰り道、星も笑顔も溢れた。
3/15/2026, 11:58:24 AM