あまの

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海へ

打ち寄せる波に素足を浸しながら歩くあなたを怖いと思ったのはいつの事だっただろうか。
そう、高校生が出歩くには少し遅い夜にドライブに誘って来たあなたはあの日、私を夜の海へと連れ出した。
静かに寄せては返す波にそのまま攫われて、闇に染まった夜の海のその向こうに行ってしまいそうな。そしてそれを悲しげに、でもそれが救いだとでも思っているようなその顔が今でもたまに頭にふと、浮かぶのです。
もうどこにいるのか、何をしているのか、連絡先も分からなくなってしまったけれど。ふとあなたのことを思い出す時、きっと幸せであればいいなと思ってしまうのです。

8/23/2023, 5:05:41 PM