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   : 桜散る


桜散る公園のベンチに
小さな女の子が語りかけていた

「さくらちゃんは、とってもかわいいね
ピンク色がすごくにあってる」

優しい瞳に映る花びらが
恥ずかしそうに女の子を見つめている

散り落ちた姿さえも
こんなに愛おしく褒められたら
私だったら、小躍りしちゃうかも…

そう思った時
柔らかく吹いた風にのって花びらが
クルリとお礼のダンスをしてみせた

すると

「風さん、笑っちゃダメでしょ
風さんの鼻息で、さくらちゃんが
クルクルして、目が回っちゃう」

そう心配しながら、そっと花びらに触れる

「もう行かないと…
じゃあ、またね」

女の子は、もう一度にっこり笑うと
淡いピンクのワンピースを揺らした

花びらが、名残惜しげに見送っていると
さっき叱られた風が我慢できずに
大きなクシャミをぶっ放し
花びらは見事に飛び去った…

なんともはや…

よし、家に帰ろう
私は公園を後にした


                    桜月夜

4/18/2026, 8:52:30 AM