着慣れない浴衣と、履き慣れない下駄
気温だけではなく、盛り上がる人々の熱に当てられながら歩みを進める
すると、立ち並ぶ屋台に視線が右往左往する
ついでに、財布の紐も緩くなる
そして、夜空に打ち上がる数多の花々
...嗚呼、夏が来たんだなぁ...
そんなこんなをしている内に、今更ながらに実感するのだ
---二作目---
何時もの様に立ち並ぶ様々な屋台に、変わらない人々の熱気。
来慣れているハズなのに、何故だがソワソワしてしまうのは
「ま、待たせたな...月那」
語尾を萎めつつ、赤らんだ頬を袖で隠す、
そんな愛しい貴方と、祭りを回れる事が楽しみだったからだと思う。
なにより、貴方からしてみれば着慣れないハズの浴衣を
『也弥さんの浴衣姿見てみたいな〜』
...なんて言う、僕のあからさま過ぎるアピールを素直に呑み込んで、袖を通してくれた事に頬を緩ませながら
「似合ってますね、浴衣」
そう言えば、貴方は顔を更に真っ赤にさせるものだから
それなのに
「お、おまえも...似合ってる...」
っと、目を見てちゃんと言ってくれたものだから
今ここで抱き締めてしまいたい気持ちを必死に抑えて「嬉しいです」とニコッと笑って見せた
まだ、夜空に花は咲いてない。
今宵の宴は、まだ始まったばかり
「さぁ、行きましょうか」
っと、僕は貴方の手を握った
#お祭り
371作目
7/28/2024, 11:52:36 AM