そこ

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こんな夢を見た。
世界は一本の線で区切られていた。赤茶けた剥き出しの土と濃い青空。遠くに山々の稜線が見える。
右側は晴天。左は曇天。
世界を区切る線の上に、少女が立っていた。
くしゃくしゃの巻き毛の赤毛。頰に散らばる大きなそばかす。首元から指先まで白いレースに埋もれているようだった。
少女は笑う。
どっちがいい?
どっち、とは?
晴れと雨、どっちがいい?
では雨で。
雨がいいのね。じゃああっちに歩いて行きなさい。
少女は右を指差す。逆ではないのかと問いたかったが、わたしは何も言わずに晴れ空の下を歩き出した。
乾いた空気。砂のよう土を踏む感覚。足の下で踏み潰される土が軽い音を立てる。乾いた空気にいつのまにか水のような匂いが漂っていた。
空を見上げると曇天になっている。折よく雨粒が鼻先に落ちた。
ああ、雨が降るのか。
振り返ると、背後の曇天は晴れ渡っていた。その中で少女は両腕を伸ばして踊る。小さな歌声が聞こえた。明るい曲なのに何故か泣き声のようにも思えた。
雨粒が大きくなり、強く降り出す。ああ、歌が聞こえない。
先程まで微笑んでいたのに、少女は今泣いているのだろうか。
そこで目が覚めた。

1/24/2026, 6:31:50 AM