ケン坊

Open App

花は美しく咲いてこの世界に色を増やす
咲き誇れば、誰にも知られず次の為の実を作る
そして種を落とす

色が一色増えたんだ
雑草が花のように見えて
風は心地よくて冷たいのに頬は暖かい
その人をいつでも思ってしまう、笑い合ってる顔、少し高い声、どんな小さなことでも大層な幸せに感じていたね。

でも、彼女にとって僕は1番じゃなかったみたい
彼女の顔は僕にそう感じさせる
彼に対して彼女はどんな花にも負けない美しい顔を見せていた、彼のために君は精一杯お洒落をして、僕に聞くんだ
『どう、可愛い?』
その言葉に僕は
『大丈夫、綺麗だよ』
そう答えるんだ、僕の中にある、粘土のような思いを抑えて

君は泣いていた
綺麗な服を顔と同じ、ぐしゃぐしゃにして
『なんでなの?こんなに好きなのに』
花は枯れれば、次の実を作る
それなのに君は花にはならなかったね

一つの知らせが僕の視界から一色持って行った
僕の前にあるコレをみんなは彼女だと言う
『なんで?』
この質問に回答は返ってこない
彼女と僕は違う人を同じ気持ちを持って生きていたんだ
それなら僕は君になりたい
また一つ、世界に種を落とす。

花は美しく咲いてこの世界に色を増やす
咲き誇れば、誰にも知られず次の為の実を作る
そして種を落とす

5/7/2024, 12:37:00 PM