ホシツキ@フィクション

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私は友達がたくさんいる。友達と言うと違うかもしれないが、厳密に言うと“ 私のことを好きなひと ”だ。

いわゆるフォロワーという人たち。
私はその人たちのことを知らないが、その人たちは私のことを知ってくれている。

私がSNSで写真を乗せるだけで賞賛される。
可愛い、可愛い、可愛い
そんなこと知っている。最近またフォロワーが増えたみたいで
ついに2万人を突破した。

私はSNSに自撮りの写真を載せて、褒められ、自己顕示欲を満たしていた。

なのに褒められれば褒められるほど心のどこかで寂しさを感じている。


『こんな時に、こういうことを気軽に相談出来る友達がいれば』

と何度思っただろう?


学生時代の友人は皆私から距離を置いていった。

きっかけは同窓会での出来事だ。周りは結婚したり、出産したりで家庭を持ってる人も多く、最初は学生時代の思い出話だったが、その後メインは家庭の話や子育ての話だった。

私はその時ちょうど仕事もプライベートも上手くいっていないことや、私が中心でないことがとても腹立たしかった。

あとは、ただただ単純に周りの友人たちを下に見るような発言ばかりした。「女として終わり」だの「おばさんくさい」だの…

皆「変わったね。」と言って去っていった。
その時私は何にも感じなかったし、寧ろ「妬みとかウケる」とまで思っていた。

今思えばなんてことをしてしまったのだろうか。

私は選択を間違えたようだ。どこかで何かの歯車が狂ってしまったのかもしれない。
今更後悔しても遅い。



私はこのまま孤独に生きていくのだろうか。
それだけは嫌だ。ぶるぶると手が震える。

私は知り合いから貰ったものを自分の体に打ち込む。

頭が真っ白になってクラクラしてくる。ふわふわする。死ぬのかな?死にたいな。

―――人気インフルエンサー、薬物中毒で死亡、か。悪くない。



一通のDMが届いていた。

“久しぶり!アユすごく人気者なんだね。人気なのは噂で聞いてたけど、ここまで人気だったなんてびっくりしたよ。
そんな人気者の友人でいれて嬉しかったよ。同窓会での出来事はみんな気にしてないからね!だからもう安心してね。いつかまた会える日を楽しみにしてるね。 マユミ”


ピンポン、とインターホンが鳴る。ふらふらしながら出ると、
そこには友人たちがいた。
「サプラーーイズ!」
友人達は家に入ってくると私を力強くハグしてくる。

「アハハ、痛いって。」

私は思わずスマホを床に落とす。
開かれたスマホの画面は私のSNSのホーム画面だ。
フォロワーの欄は “0”と書かれていた。

私は薬をすることで、
フォロワーや友達がたくさんいると感じていた。
孤独を癒していた。

DMも届いてはいなかった。目の前には誰もいなかった。

全てが作られたもの、私の理想。

あぁ、ずっとこのままでいたい。


このままで、終わろう。
たくさんの友達に囲まれたままで。


どこまでが本当で、どこからが幻覚?
それは誰にも分からない。


【友達】~完~



ダメ絶対。
久しぶりに暗い話書いたけど向いてないみたいです(т-т)
暗い話読むのは好きなんですけどね…フランス映画とか…

どうしてもハッピーエンドにしたかったのだけれど
主人公がそのまま突っ走ってしまいました。
何度も言うけど、ダメ絶対。
ちなみに私のSNSのフォロワーは400人ちょいです。
多いのか少ないのか微妙なライン。

♡︎いつもありがとうございます!もうすぐ600!

10/25/2022, 1:51:04 PM