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心の健康。

それは、わたしが、私じゃなくなった時。
いつだって自分の中には、強い芯があった。

けれど、それは柳ではなく、硬く周りからも守られていたのだと、壊れてから初めて気付かされた。

ひとつめ。生家を失った。
これは私の人生の土台が根元から崩されたような、 奇妙な感覚に陥った。それはもう十年経った今も、まだ夢に見るほどポッカリと穴が空いたままだ。

ふたつめ。初めて、身内を喪った。
老いは抗えない。それは理解できてはいても、後悔ばかり残った。もっと、生きてるうちに色々と優しく接したら良かったと。

みっつめ。健康体ではなくなった。
いっぺんに色々なことが起こり過ぎた。元から塵に積もった身体には大きなストレスとなって、ゆっくりと身体が蝕んでゆく。

それでも、最後まで気力だけは持っていた。
忍耐力があるのが自負だった。耐えて耐えて、耐え忍んできた。

しかし、身体はもう既に限界を何度も超えてしまっていた。
気力ももう残り少なくなった時、出先のトイレで溢れ出てくる涙を止められなかった。

結果としては、友人の助言によりあと一歩のところで助かった。
それでも、二度と昔のような身体には元には戻らないだろう。今でも薬は手放せず、長い間耐え過ぎたことで、とある臓器も壊れたままになってしまったと思っている。

心の健康とは何か?
身体との結びつきは実はとても強く、堅固だと思う。

身体が先にやられて、どんどん弱くなってくると、どんなに強く持った心まで参ってしまう。

もう二度と、あんなに辛くキツイ思いはしたくないし、しないと決めている。
そのためにはまず「健康第一」であることをモットーにした。それは身体だけではなく、必ず心の声にも耳を傾けることも忘れない。

一番は「自分」を大事にする。時には甘やかしたっていい。それは自分でしかできないことだ。

目指すべきものは、柳。
しなやかに、逆風であってもさらっと受け流す。

または、草花もいいなと思う。
しっかりと地につけ、風に揺られながらも根付いては花咲くのに一生をかけている。

色々なものを失ってきたからには、今の私は私自身の心の健康を守るべく、今日も「さぁ 何しようか?」と自分に問いかけるのだ。





8/13/2023, 5:03:14 PM